ホーム ＞ 歌詞対訳 作曲家選択 ＞ シューマン ＞ リーダークライス Op.39 ＞ 「美しき異郷」Op.39-6

美しく幻想的な夜、それは刺激と興奮に満ちている。そしてそこに見るのはまぼろしの幸せ。ピアノは震えるような細かい連打を含む複雑微妙な書法。


Schöne Fremde


Es rauschen die Wipfel und schauern,
Als machten zu dieser Stund
Um die halbversunkenen Mauern
Die alten Götter die Rund.

Hier hinter den Myrtenbäumen
In heimlich dämmernder Pracht,
Was sprichst du wirr wie in Träumen
Zu mir, phantastische Nacht?

Es funkeln auf mich alle Sterne
Mit glühendem Liebesblick,
Es redet trunken die Ferne
Wie von künftigem, großem Glück.

(Joseph von Eichendorff)



美しき異郷


樹の枝先が震え　音をたてる
こんな時間に
なかば崩れた　城壁のあたりを
昔の神々が歩くとき

ここ　ミルテの樹の陰で
ひそかな　黄昏の華美のなかで
おまえは 夢見るように どんな
とりとめのない事を語るのか　幻想の夜よ

灼熱の愛のまなざしをもって
全ての星たちが　私に火花を浴びせかける
遠いところから　陶酔して呼びかける
将来のすばらしい幸福を物語るかのように

（ヨーゼフ・フォン・アイヒェンドルフ、対訳：山枡信明）


原語と日本語を、横並びに表示する