近年再評価が進みつつあるレズニチェクは、1860年にウィーンで生まれ、ドイツで活躍した。リヒャルト・シュトラウスとほぼ同世代で、20世紀前半のドイツ、オーストリア、チェコを代表する作曲家のひとりである。

交響詩「勝者」、「平和（ある幻想）」とともに “交響詩三部作” とも呼ばれるレズニチェクの代表作「シュレーミール（ついてない男）」。曲の後半にはゲーテの詩によるテノールソロがおかれている。その歌は慰めに満ちていて、一種の休止点、転換点を与え、次にくる輝かしく壮大な全曲の終結を導き出す。