息の長いメロディにより愛が謳われます。各節の終わりに Wonnevoll（喜びに満ちて）という言葉が繰り返され、それに美しくピアノが絡みます。

Wie bist du, meine Königin,

僕の女王さま、貴女はなんと

Durch sanfte Güte wonnevoll!

たおやかで　歓びにあふれているのでしょう

Du lächle nur, Lenzdüfte wehn

貴女が微笑んだだけで　春の香りが

Durch mein Gemüte, wonnevoll!

心をよぎります、歓びにあふれて！

Frisch aufgeblüter Rosen Glanz,

新しく咲き出でた　薔薇の輝きを

Vergleich ich ihn dem deinigen?

貴女の輝きにたとえましょうか？

Ach, über alles, was da blüht,

ああ　この世のすべての花にまさるのは

Ist deine Blüte wonnevoll!

貴女の花です、歓びにあふれて！

Durch tote Wüsten wandle hin,

死の荒野を　さまよい歩くときも

Und grüne Schatten breiten sich,

緑の木陰が　広がるのです

Ob fürchterliche Schwüle dort

たとえ　そこで恐ろしい灼熱が

Ohn Ende brüte, wonnevoll!

常に照りつけても、歓びにあふれています！

Laß mich vergehn in deinem Arm!

貴女の腕のなかで死なせて！

Es ist in ihm ja selbst der Tod,

そんなふうに死ねるのならば

Ob auch die herbste Todesqual

きわまる死の苦痛に　胸を掻きむしられても

Die Brust durchwüte, wonnevoll!

なお歓びにあふれているのです！

(Hafis, durch Georg Friedrich Daumer)

（ダウマー訳、ハーフィスによるペルシャ語の詩、対訳：山枡信明）