ホーム歌詞対訳 作曲家選択マーラー「ぼくの恋人が結婚式を挙げるとき」

職人としてやってきたこの町に彼の幸福は無かった。にぎやかに婚礼が祝われるが、花嫁を得たのは自分ではない。婚礼の音楽を奏でるピアノ部分の速いテンポと、それと対照的な歌の遅いテンポが頻繁に交替する特異な音楽。中間部では、花咲き鳥歌う美しい世界が描かれる。


Wenn mein Schatz Hochzeit macht

ぼくの恋人が結婚式を挙げるとき


Wenn mein Schatz Hochzeit macht,
ぼくの恋人が結婚式を挙げるとき
Fröhliche Hochzeit macht,
楽しい結婚式を挙げるとき
Hab' ich meinen traurigen Tag!
ぼくは 悲しい日をむかえる
Geh' ich in mein Kämmerlein,
ぼくは小部屋に入っていく
Dunkles Kämmerlein,
暗い小部屋に
Weine, wein' um meinen Schatz,
泣いて 泣く ぼくの恋人のことを
Um meinen lieben Schatz!
ぼくの愛する恋人のことを

Blümlein blau! Verdorre nicht!
青い花よ! 枯れないでおくれ!
Vöglein süß! Du singst auf grüner Heide.
かわいい小鳥よ! 君は緑の草原で歌う
Ach, wie ist die Welt so schön!
ああ この世界は なんと美しいことか
Ziküth! Ziküth!
ピーチク ピーチク

Singet nicht! Blühet nicht!
歌わないでくれ 咲かないでくれ
Lenz ist ja vorbei!
春は いまや過ぎ去った
Alles Singen ist nun aus.
すべての歌は もう終わった
Des Abends, wenn ich schlafen geh',
夜 眠りにつくとき
Denk' ich an mein Leide.
ぼくは 自分の苦悩に
An mein Leide!
自分の苦悩に 想いをはせる

(Gustav Mahler)
(グスタフ・マーラー、対訳:山枡信明)